エンデラルから届いた封蝋で閉じられた手紙
数千年の間、マルファス神は我々の理想の体現者であり、運命でした。マルファス様が亡くなられて、我々は意義を、彼の治世の輝きを失いました。しかし新たな拠り所を見出したのです。もっと重要な、戦う意義のあるものでした。エンデラルの社会秩序を守るために、マルファス神の死は秘匿されましたが、真実はいずれ表ざたになるリスクを伴っています。
我々の以前からのリーダーであるティーラー・アランテアル様がお戻りになりました。魔術師のオーダーに支持されています。オーダーとは彼の息子、ナラスツル・アランテアル様によって設立された組織です。ナラスツル様のような方々がいつの世にもいらっしゃいました。ああいう方はご自分の感情によって不安を抱きますし、気まぐれです。どのような嘘でも信じますし、本当かも知れないと思えばどんなことでも恐れます。ティーラー様は違います。彼はとても抑制されていて、思慮深い方です。ティーラー様の寛大さは報われるでしょう。敵を味方に引き入れることによって打ち砕くお方です。
ティーラー様は千年に及ぶ権力と無力の中枢ともいえるエンデラルにいらっしゃいました。艦隊も軍も伴わずに、ただ、ビジョンのみを伴われて… ティーラー様が話されたのは我々にはまだ理解できない深いパターンについてでした。ある種の破壊的な変化についての話です。戦争や破壊の痕跡を一切残さずに、文明全体が消失することについてでした。
けれども我々はそのことについて知っています。私たち自身が旧い敵役に属していました。敵という概念を定義する時間を無駄にするのはよしましょう。そんなことよりも、我々は未来の為に、自身の持ち合わせているあらゆる知識と知恵を用いるべきです。我々は全てに抵抗し、全てを与えます。最近になって我々に与えられた「自由」を無駄にしてはなりません。今日(こんにち)、パラディンである私たちは、救済と罪滅ぼしをするつもりです。どちらも、神々と運命が我々に与えた事がなかったものです。
***