英語歌詞参照先エンデラルで詩人に歌われる曲のひとつ。
「正しき道」から外れた「道なき者」が首都の地下深くのスラム「アンダーシティ」で自らの過ちを嘆くように終わる、という封建制度を維持するための教育的な筋書きになっています。「道」は、エンデラルの信仰と生活の基盤でもあり、階級制度の一種でもあります。エンデラルでは、一定の年齢に達した子どもたちがマルファス神から与えられた「道」の職業へと入っていきます。また、「道」は通常、父親方から引き継がれます。道は「学者」や「職人」といった大まかな区分ですが、おなじ道のなか、たとえば家具職人から鍛冶職人といったような転職であれば、ある程度の職業選択は可能なようです。まれに才能と幸運に恵まれて、上位の「道」へ進む者がいる場合もありますが、それは詩人の歌に残るほど珍しいこととされています。
「気まぐれな放浪者」
我らの連綿と続く世界も
彼の両目には新鮮に見えた
どの地も彼を引き止められない
彼は空に焦がれ
「道」を捨て
己自身の道に従った
そして彼は虚無に迷い込み
気まぐれな放浪者のまま
「道」を厭った
彼のための職だったというのに
夢を求めて
深紅の残光のなか
できるだけ遠くへ
彼がみつけた居場所は
街の地下深く
生きるための目的もなく
誇りもない場所で
彼を愛した女性は
抱きしめながら
苦しみゆえに人生を引き裂いた
そして彼は虚無に迷い込んだ
気まぐれな放浪者のまま
「道」を厭って
彼のための用意された職を捨て
夢を求めて
深紅の残光のなか
訪れたことがない遥かな地へ
我らの連綿と続く世界は
彼の両目ほども古く見えた
彼は一生をからっぽの空の下で過ごした
少年が男に尋ねた
正しき「道」とは何か
男は答えた"マルファスの怒りを招くなかれ"
"虚無のなかを歩くことになるぞ
気まぐれな放浪者のまま
「道」を厭って
己のために用意された職を捨て
夢を追い求め
深紅の残光のなか
誰も訪れたことのない遥かな地へ"