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2024/11/19

冬空 / Winter Sky

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2018/10/21

冬空 / Winter Sky

英語歌詞の参照先



エンデラルの詩人に歌われる曲です。
戦争で恋人を失くした女性の哀しみが歌われます。
また、「冬になると赤い月になる」という事象、「故人が生前に思い入れのあった場所に墓を立てる」というエンデラルの風習を読み取ることができます。

「冬空」

大勢の男たちが
戦いに出かけた
故国の旗印を掲げて、遥かなる異国へ
男は女に別れを告げた
恋人は若く溌剌としていた
またすぐに彼の腕に抱かれることができるだろうと彼女は考えた

男は告げた「私の帰りを待ってほしい。
この約束を信じて、がんばってくれ。
海の上に赤い月光が輝く頃に
勝利と共に帰還するから。」

兵士たちは行進し、空には青い旗がなびき
彼女の両目からは雫が流れたが
彼女は思った。「強く信じれば
やがて彼は無事に帰ってくるでしょう。」

赤い月が輝く頃
男の亡霊が夜をくぐりぬけ
風の翼に乗って森を抜け
古い丘にたどり着くと
恋人が丘上の墓石の前に跪いている
二人の恋が生まれた場所に
亡霊が女の顔を撫でても
彼女はそのことに気づかない
暗く、赤い輝きが、冬の空を彩る
2人の魂は時の糸によって隔てられた

数日が数週間になり
何ヶ月も過ぎたが
戦場からの便りは届かなかった

数年が経つと
国土に平和が戻り
空のしたで、からっぽの墓が作られた

それでも彼女は最後の約束を信じていた
夜毎、冷気の中へ踏み出して
森を抜けて、丘を登り
かつて愛を誓い合ったあの場所へ向かった

毎年、夏が去ると
血のように赤い月が天空に昇り
男の亡霊が起き上がり
あまりにも早く失われたものを探し求める

赤い月が輝く頃
男の亡霊は夜をくぐりぬけ
風の翼に乗って森を抜け
古い丘にたどり着くと
恋人が丘上の墓石の前に跪いている
二人の愛が生まれた場所に
亡霊が女の顔を撫でても
彼女はそのことに気づかない
暗く、赤い輝きが、冬の空を彩る
2人の魂は時の糸によって隔てられた

数十年が過ぎて、彼女の髪は灰色になり
領土は狭まり、戦争と死者は忘れ去られ
彼女が街角を歩くと、呪われた女だと噂された
とっくに亡くなった者にとりつかれている、と

それでも彼女は噂など気にかけなかった
夜毎、恋人の帰還を祈り続け
秋が訪れ、冷たい風が大地を這い回る頃になれば
もういちど彼の手をとることを願った

彼女の最後の日没が近づくと
彼女は夜のなかでいつまでも留まり
月光が彼女の顔を照らす
彼女は自分の人生が消えるのを待っている

赤い月が輝く頃
男の亡霊は夜をくぐりぬけ
風の翼に乗って森を抜け
古い丘にたどり着くと
恋人が丘上の墓石の前に跪いている
二人の恋が生まれた場所に
彼女が両目を閉じると
一筋の光が天空から差し
彼女の皮膚が塵となり
魂がその殻を破って出てくる
悲しみと時間から解放された二人は
風に運ばれて
森を抜け、木々を後にして
そして彼女は恋人の手をとった
ついに二人は平穏をみつけた
暗く、赤い輝きが、冬の空を彩る
2人の魂は時の糸によって隔てられた

暗く、赤い輝きが、冬の空を彩る
2人の魂は時の糸によって結ばれた

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